アメリカ広葉樹建築家セミナーin 名古屋
 アメリカ広葉樹輸出協会(AHEC)は、6月27日(水)「アメリカ広葉樹建築家セミナー」を名古屋市内のホテルにて開催しました。前回名古屋でセミナーを開催したのは2008年でしたので、丁度10年ぶりの開催となりました。

 今年のアメリカ広葉樹建築家セミナーの講師はアメリカから2名、日本から2名と様々な角度からアメリカ広葉樹の魅力を御講演いただきました。在名古屋米国総領事館首席領事のゲリー・シェファー氏の挨拶の後、昨年福岡と静岡で開催した「アメリカ広葉樹等級格付けワークショップ」で講師を務めた全米広葉樹製材協会主席等級検査官のディナ・スペサート氏の講演からスタート。



 最新のアメリカ広葉樹市場の動向や格付けなどについて詳しく説明されました。次に、ワシントン州シアトル市より初来日したインテリアデザイナーのネイシー・カツオフ氏は木造でデザインする芸術性の大変高い階段や家具、そして彼の代表作であるアメリカ広葉樹を使用した木製の高級感溢れるバスタブなど、日本ではあまり見る事のできない作品を沢山のスライドにてご紹介いただきました。

 後半の講演では、東京大学生産技術研究所教授の腰原幹雄氏より、「森と都市の共生 いろいろな木を使う」と題して講演いただきました。腰原氏は構造建築の専門家であり、内装だけに限らず広葉樹もデザイナーの工夫で構造材としても使用が可能であり、色々な木を使うことによって都市木造を過去の木造の歴史から紐解き、そして見通しを立てて新しい建築にしていくには、建築家として活躍する方々の努力と工夫が必要であると述べられました。


 最後は、木材とは切っても切れない塗装について木材塗装研究会運営委員の長澤良一氏より御講演いただきました。なかなか言葉で理解しにくい塗装の違いをアメリカ広葉樹のサンプル材を回して分かり易くご説明いただきました。今回のセミナーのテーマであった「木材の可能性を探る」に相応しく、森林から製材、内装材としての使用またそれに伴う塗装、そして構造材として様々な木と組み合わせていくことで生まれる可能性など90名以上に及んだ参加者を喚起するような内容となったセミナーでした。セミナー後のレセプションにも多くの方にご出席いただき、講演された講師の方々とも積極的に意見交換をされ、最後まで活気のあるセミナーでした。