2016年アメリカ広葉樹セミナー in 札幌 「空間の質を考える」。札幌で8年ぶりに開催
アメリカ広葉樹輸出協会(AHEC)は、7月1日(金)「アメリカ広葉樹セミナー」を札幌にて開催しました。前々日に広島県府中市で開催しましたセミナーに引き続き、100人を超える建築家、デザイナー、家具メーカー、木材業界関係者などにご参加いただき大変盛況に終わりました。札幌では2008年にセミナーを開催して以来8年ぶりの開催となりました。

「空間の質を考える」と題されたこのセミナーでは、北海道広葉樹協議会会長、高橋秀樹氏からの開催挨拶後、府中セミナーと同様に、米国側から全米広葉樹製材協会主任等級検査官のデイナ・スペサート氏によるアメリカ広葉樹製材の等級格付けについて、またパデュー大学准教授のエバ・ハビアロバ氏より「キッチンキャビネットの家具の素材としてのアメリカ広葉樹のトレンド」と題し、デザインのみならず、世界の市場状況や木材のトレンド動向など幅広いリサーチや研究結果のデータを加えてご説明いただきました。

日本側からは家具工房santaroの高橋三太郎氏より、「建築空間と家具」と題してご講演いただきました。自然素材を使用した、工業的ではなく工芸的な家具作り。壊れたら直して使う、素材の持続可能性だけではなく、家具の持続可能性も木工家として提供することが大事」と述べられ、それぞれの建築物及び内装の空間にマッチした家具などスライドでご紹介いただきました。

そして最終講演では、「木材の復権」と題して、(株)日建設計の常務執行役員設計部門副統括の山梨知彦氏より、都市建築における木材物件として、木材を構造材、内装材、そして外装二次構造部材として使った建築である東京都江東区新木場の「木材会館」での木材の使用方法や試みなどを魅力たっぷりにお話しいただきました。適材適所に木材を使用する、利用する箇所に合わせた木材の選択が重要で、木材を使用することにより、工期の短縮やコストの削減、重量の軽量化、メンテナンスのやり易さにつながる。また日本人は昔から木の家に住み、木材が好きな国民。DNAにもそれは刷り込まれているが、今木造建築が消えていくと次の世代に継承できないと指摘されるなど、建物に木材を使用することの重要性を考えさせられる講演でした。

レセプションでは、在札幌米国総領事館首席領事のJoEllen Gorg氏の挨拶後、セミナー参加者のほとんどが出席し、講演された講師の方々とも積極的に意見を交換されていました。