静岡県の家具・木材業界との広葉樹懇談会
 
 
平成25年7月19日(金)JR静岡に隣接するホテルセンチュリー静岡で、静岡県では初めてとなる「静岡県の家具・木材業界との広葉樹懇談会」を開催しました。アメリカ広葉樹材を扱う静岡県内の家具・木工メーカー、デザイナー、製材・ツキ板メーカー、木材問屋などからパネリストとして14名が参加し、それらの業界から26名のオブザーバーが見守る中下記5つの議題について話し合われました。

1)静岡県でのアメリカ広葉樹材を含む広葉樹の現状
2)家具材・内装材としてのアメリカ広葉樹を含む木材の有効利用
3)静岡県家具業界の今後、さらには家具木工技術の伝承
4)家具デザイナーが考える静岡家具の将来性
5)静岡県の家具業界と木材業界の連帯の可能性

まず、アメリカ広葉樹輸出協会日本代表から日本でのプロモーション活動、米国広葉樹業界の森林管理や環境への取り組み等についての説明がありました。その後パネリストの自己紹介を経て議題に。

実際に家具を製作・販売し一般の消費者を通して見えてくる問題として「日本の木」つまり国産材であるかどうかと言うことに敏感に反応する顧客が多く、特に国が木材利用ポイントなどで国産材を押している現状においてはアメリカ広葉樹について説明するのが難しいと感じることがある。

一方、家具の作り手としてはアメリカ広葉樹で良い家具を作りたいので、もっと自信を持ってアメリカ広葉樹を一般消費者にも広くアピールしてほしいとの意見がでました。

話し合いの中でアメリカ広葉樹輸出協会メンバーであるノースウエストハードウッド・ジャパン(株)の滝谷氏より、アメリカ広葉樹の現状が説明され、今年に入り米国経済が上向いているため、住宅内装やキャビネットなどに多くのアメリカ広葉樹材が米国内で使用されている。また雨の影響で丸太の出材が減少しているので価格も高騰気味であるとの意見に、日本側からはいつも何かの原因があり、価格が下がったことはないのではと言う厳しい意見がでました。家具メーカーからの15mm厚のアメリカ広葉樹製材が必要であるとの質問に対して、木材輸入問屋からは実際に日本の需要だけで輸入する材の厚は変わらないのが現状ですが、日本で必要な厚みに再割し倉庫で数カ月にわたり調湿すれば対処することができるとの解決策が提案され、さらに静岡は地理的にもメリットがあるので、木材業界と家具業界が連携していけば価格も抑えて輸入できるのではと提案されました。

今までの懇談会では無垢材の事が中心に話し合われましたが、今回はツキ板業界からも多くのご意見を頂き、無傷無欠点のイメージが強いツキ板ですが、バーズペックやヤニツボを使っていくような取り組みが進められているとの事でした。

静岡は家具産地として大変バラエティーに富んだ家具・木工品を生産しており、地の利も良く都心からも行き帰りが容易であるのを利用して、展示会などで自分たちの作品や技術を外に向かってもっとアピールし、家具業界と木材業界が一丸となって一般消費者に対して静岡家具の良さを知って頂くことが重要ではとの意見がでました。

懇親会にはほとんどの懇談会参加者が出席し積極的に意見交換が行われ、静岡県の家具・木工業界と木材業界の方々が親睦を深められました。