Topics「アメリカ広葉樹日米建築家懇談会 in 札幌」


アメリカ広葉樹日米建築家懇談会 会場


米国大使館農産物貿易事務所所長チャンダ・バーグ氏


JIA北海道支部 支部長 小西彦仁氏

2023年6月12日(月)に札幌市内のホテルにて「アメリカ広葉樹日米建築家懇談会 in 札幌」を開催しました。

東京在住のAIA(アメリカ建築家協会)Japan所属の建築家3名 Segene Park氏、James Lambiasi氏とMichel van Ackere氏、JIA(日本建築家協会)北海道支部所属の建築家3名 川村弥恵子氏、大田司氏と菅原秀見氏に講師として参加して頂き、それぞれからのプレゼンテーションさらにはパネリストとして意見交換をして頂き、それを北海道の建築家、木材会社、家具メーカー約20名の方々に聴講していただいた約3時間半の会議でした。

米国大使館農産物貿易事務所所長チャンダ・バーグ氏の挨拶を皮切りに、アメリカ広葉樹輸出協会日本代表の辻よりアメリカ広葉樹の環境に対する考え方についての説明後、各建築家がバラエティに富んだ作品を紹介されました。

AIA James Lambiasi氏 AIA Michel van Ackere氏 AIA Segene Park氏
     
JIA北海道支部 川村弥恵子氏 JIA北海道支部 菅原秀見氏 JIA北海道支部 大田司氏

JIA北海道支部所属の(有)TAO建築設計の川村氏より「私と木材との付き合い方」と題し、ホワイトアッシュをサッシに使用するなど色合いを統一した自宅兼事務所を、大田氏は「導かざる形と素材」としてウォルナットやホワイトオークを多用した北海道ニセコ町のホテル「ハク・ヴィラズ」、菅原氏からは「北海道の公的施設にあける木造・木質化の取組み」として道内の小学校の木質化についてご紹介いただきました。

一方、AIA Japan所属のパーク氏はAIAの活動について、ランビアーシ氏は日本に住む外国人向けの住宅設計の事例、バン アーカー氏からはレンガ作りの建物やガラスと木材を外装に組合わせた海外での事例をご紹介いただきました。

今回のパネルディスカッションでは北海道という土地柄、寒さを乗り切るための厳しい断熱基準と木材利用の関係などについて、木材は熱損失が少なく断熱材としての使用も十分可能であるとのこと。また施工についてはニセコ町のホテルでの長尺のオーク材では反りも割れも出ていないのは、適切に乾燥された材が提供されたことと施工した工務店の技術力の高さに依るところが大きいとのことでした。

ただ建築家と木材会社は物件ごとの係わりにとどまり、長期的なお付き合いをするのがなかなか難しく、無垢の内装材の施工には両者のコミュニケーションをいかに継続するかが大切であるとの指摘を受けました。

建築家から施主への木材使用についての詳しい説明、また建築家と木材会社との蜜なやり取りにより、北海道でのアメリカ広葉樹内装材の需要拡大の可能性があると分かった懇談会となりました。