2016年アメリカ広葉樹セミナー「暮らしのデザインを考える」。家具産地府中市で初開催
アメリカ広葉樹輸出協会(AHEC)は、6月29日(水)「アメリカ広葉樹セミナー」を広島県府中市にて開催しました。広島県でのセミナー開催は広島市内で2000年に開催以来16年ぶりで、府中市では初めての開催となりました。

会場となった府中商工会議所の2階会議室には、雨の中130人を超える家具・木工メーカー、木材業界関係者、建築関係者などが府中市内のみならず、山口県、高知県、香川県からもご参加いただきました。

セミナーは、米国大使館のジェス・ポールソン農務官の開会挨拶後に、米国側から全米広葉樹製材協会主任等級検査官のデイナ・スペサート氏、パデュー大学准教授のエバ・ハビアロバ氏、日本側から家具デザイナーの小泉誠氏、そして木材塗装研究会の長澤良一氏に講演いただきました。

スペサート氏の講演では、家具材や内装材として日々使用されているアメリカ広葉樹の製材が、どのように格付けされ、何を欠点とし、その欠点の割合でどのようなグレードになるのかなど、普段は12週間の研修で学ぶ内容を掻い摘み分かりやすく説明いただきました。

続いての講演は、今回が初来日のハビアロバ氏。大学で教える傍ら、教育と研究以外に学外での支援活動もされている同氏からは、「キッチンキャビネットと家具の素材としてのアメリカ広葉樹のトレンド」と題して講演いただきました。 キッチンキャビネットやデザイン面の話に留まらず世界の家具生産高のデータや主要国の家具業界の動向など、研究やリサーチの結果を含めて多方面からお話しいただきました。

家具デザイナーの小泉誠氏の講演では、同氏が手掛ける日本各地のプロジェクトの内容やコンセプト、使用する素材の話などを中心に、日本の家具の歴史からデザインに関する考えなどについてお話しいただきました。

また、木材塗装スペシャリストの長澤氏からは、それぞれの木材の特徴によって使い分ける塗料や塗装のテクニックなど技術面の話をサンプルの塗装版を見ながらご説明いただきました。

今回のセミナーでは、府中市、府中家具工業協同組合、府中商工会議所、広島県天然木化粧合板工業協同組合より御後援をいただき、レセプションには府中市長にもお越しいただき、「府中はモノづくりの街なので、このセミナーの成果を踏まえ、広葉樹を取り入れた益々家具業界が活性化し、輸入と輸出が活性することに期待します」とのご挨拶をいただきました。

府中市が家具産地として今後ますます発展し、アメリカ広葉樹を使用した素晴らしい家具・木工品を製作いただけるようアメリカ広葉樹輸出協会としましても多方面から情報提供や技術支援をしたいと思います。