アメリカ広葉樹アーキテクトセミナーを5年ぶりに東京で開催 2012/06/11

アメリカ広葉樹アーキテクトセミナー会場

2012年6月11日(月)、アメリカ広葉樹輸出協会(AHEC)は、ホテルオークラ東京にて「アメリカ広葉樹アーキテクトセミナー」を、(社)日本建築家協会関東甲信越支部、(社)日本商環境設計家協会、米国農務省海外農務局及び米国大使館農務部の後援を得て開催、5年ぶりとなる東京でのセミナーには100人を超える建築家や住宅・木材関連さらにはプレスの方々等にご出席いただきました。

今回のセミナーでは、4名の講師が講演を行いました。

初めにアメリカ広葉樹輸出協会会長のジョン・ブラウンが「米国の広葉樹業界の現状」を説明、続いてアメリカ広葉樹輸出協会専務理事マイケル・スノーより「ライフサイクル・アセスメントと環境に配慮した建築素材」と題して講演がありました。


挨拶するAHEC日本代表の辻、席上には左からAHEC本部会長、専務理事、そして講師のベンテル氏、横内氏

現在アメリカ広葉樹輸出協会はドイツのライフサイクル・アセスメント(LCA)分野の世界的なリーダーであるPE Internationalに委託し調査・研究を進めており、環境に対してどれくらいの負荷がかかっているのかを科学的なデータ分析結果の数字を用いて詳しく説明致しました。


AHEC会長のジョン・ブラウン

AHEC専務理事のマイケル・スノー

アメリカ東部で伐採された木が製材・人工乾燥、輸送などのプロセスを経て、日本の木材輸入問屋の倉庫に到着するまでに排出される地球温暖化係数(グローバル・ウォーミング・ポーテンシャル=GWP)は、樹木の成長過程で取り込まれる二酸化炭素量(ネガティブGWP)を相殺しても十分であることなど、輸送経路や製材の厚みの違い、また木材以外の建築素材との比較を用いた例を挙げ詳しい説明がありました。

その後休憩を挟み、日米の建築家からそれぞれのアメリカ広葉樹を含む木質内装材を使用した作品をご紹介頂きました。


講師のキャロル・ベンテル氏

講師の横内敏人氏

最初に、米国建築家協会(AIA)のHospitality Design部門の殿堂入りを果たしているニューヨークのBentel & Bentel Architects社のキャロル・ベンテル氏より、「木目に囚われない、本物の木質内装材」として、ニューヨークを中心に各国で手掛けられたホテルやレストランなどの商業施設の魅力溢れる内装の数々を紹介いただきました。

アメリカ広葉樹とその他の素材とをうまく融合させ温かみと都会的な雰囲気を合わせ持つ作品の数々は日本でのアメリカ広葉樹の活用方法の可能性を広げるものでした。

そして最終講演として、京都造形芸術大学環境デザイン学科教授、横内敏人建築設計事務所の横内敏人先生より「木造住宅の近作を語る」と題して、木材を使用した素晴らしい住宅内装作品の多くをご紹介いただきました。

和のテイストをベースに、移りゆく四季を感じることのできる草木や庭、大きな開口部が特徴的な先生の作品は住宅内装に温かい木質素材がふんだんに使用されており、どの作品も自然と建物が調和したもので空間から豊さを感じることのできる素敵な作品ばかりでした。

セミナー後のレセプションにも沢山の方々にご参加いただき、積極的に交流を深められました。

アメリカ広葉樹輸出協会は、木材の有効利用と活用方法を様々な形で皆様にお伝えするとともに、LCAの国際基準でもあるISO 14014シリーズに基づき、関連業界からの独立性を維持しながら調査研究をさらに進めて、材料仕様やグリーンビルディングなどの環境問題に対する科学的な取り組みの一環として調査・研究した結果を今後も皆様にお伝えしていきたいと考えています。

なお、ベンテル氏と横内氏の配布資料、またLCAパンフレットなどは無料でお送りします。弊協会のホームページwww.ahec-japan.orgにアクセスして頂き、「お問い合わせ・資料請求」のページよりお申込ください。