■米国において森林経営は、木材製品を継続的に供給するために、管理と規制を受けています。野生動物、湖沼河川、地形など、環境にとって大切な価値を守るための法規が作られています。

  ■1800年代後半、国民に絶えることなく原木を供給するための営林地として、米国議会は国有林を創設しました。今日、連邦森林管理局は、国有林の営林施業を計画するにあたり、32を超える法律を検討しなければなりません。このうち最も重要な法律が、伐採量は生長量を上回ってはならない、国有林はアウトドア・レクリエーションならびに、湖沼河川、野生動物、漁業の保護を目的として経営する、とした1960年の「多目的利用と持続産出法」です。

  ■連邦政府はまた民有林の環境規制を行う権限を有します。1972年のクリーン・ウォーター法は特に林業にとって重要な法律です。この法律により、全ての州政府は河川の土砂堆積量を減らす施策を行うことになりました。不良な森林経営は土壌の流出や河川の堆積の大きな原因となりえるため、「ベストマネジメントプラクティス」として知られる森林施業基準を制定し施行することを各州に実質的に求めたのです。絶滅のおそれのある種に関する法は絶滅のおそれのある生物種が絶滅の危機から抜け出すまで保護するため作られています。

 ■連邦政府が環境法規の立案と施行という意味で、その比重をますます高めているわけですが、その一方で、各州が環境規制や林業に対する責任を持っています。各州はそれぞれ森林局を置いて、民有地および公有地の営林施業の規制を行い、その向上を目指しています。

  ■政府による持続可能な森林経営の奨励政策に加えて、大手森林所有者や林業界の取り組みがあります。最も長く続いているのは、米国育林制度です。さらに最近では、全米林産物製紙協会が「持続可能な森林管理(Sustainable Forestry Initiative)−SFI」を制定。SFIは現在、同会員全員に義務づけられています。また、会員以外にも開放されており、詳細にわたる「持続可能な森林管理および実施ガイドライン」を遵守するよう、企業に求めています。ひとつ具体的には州が承認した「ベストマネジメントプラクティス」を必ず実行することを約束しなければなりません。毎年、独立した機関である審査会が検査報告書を作成し、公表します。

  ■米国で進展中の環境品質保証に対する他のアプローチには、ISO9000を一歩進めた国際的な環境管理規格、ISO14001があります。これは既存の森林経営に即しながら、環境改善を継続的に行うことに重点を置いており、環境問題に取り組む上でのアプローチとして、米国の林産業界の大きな支持を得ています。ISO14001を実施する企業は企業環境方針を設定し発表しなければなりません。

  ■全米広葉樹製材協会など、広葉樹関連の業界団体も多数が、独自の環境プログラムを持っています。全米広葉樹合板・単板協会(Hardwood Plywood & Veneer Association)でも、広葉樹林の生長、経営、教育および再生可能な森林資源の環境上健全な利用を促進する「広葉樹林業基金」の運営を行っています。




 
copyrights (C) 2007 AHEC-Japan All rights reserved.